Jan 03 2012
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その時に思い出した“Adult Supervision”の意味は、私が理解している限り、グーグルを手伝うことになった時、エリックに言われた言葉に尽きます。
「若いグーグルの社員は、優秀で働き者たちばかりだ。仕事は、彼らに任せておけば良い。そこで、我々年寄りの役割は、これまでコンピューター産業が繰り返してきた過ちと同じ過ちを、彼らが繰り返さないよう、見守ってやることだけだ」
今でも苦笑するのは、エリックは私より10歳も若く、当時まだ40歳代半ばであったということです。この説明を受けた時、私たちは「これまでコンピューター産業が繰り返してきた過ち」について、具体的に言及することはありませんでした。しなくとも、お互い、言わんとすることは、十分理解できました。
その時、具体的に私の頭に浮かんでいたのは、この連載の第10回から第13回の4回にわたって書いた米ディジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)の成功と凋落(ちょうらく)の物語でした。特に第12回で述べた技術志向の会社が陥りがちな“Not Invented Here syndrome(NIH症候群)”と“Monkey Trap(猿罠=さるわな)”です。
幸いなことに、グーグルではそのような兆しもなく、私のもっぱらの仕事は、日本社会の「新しいことは原則禁止」という慣習と、グーグルの「そんなもん原則許可でしょ」という当然の思いとの折り合いをつけることでした。
